元旦早々、年始の挨拶もそこそこに、日本から来たとある友人とともにモンサンミシェルへ行ってきました。
濃い霧の中、パリを出発して4時間ほど高速を走ったあと到着。
島にはバスが入れないために、手前のバス停で降り、昼食へ。
モンサンミシェル名物のオムレツだった。
写真がそれである。
見てお分かりのように、クリームソースと見紛うほど泡立てられたオムレツ。
食べても食べても実体がない。
さながら仙人の食べ物である。
山奥でひとりふわふわのオムレツを食べる仙人の閑居を想像する。
それはあながち間違いではなくて、19世紀ごろ巡礼の信者たちに出したオムレツが始まりだという。少ない材料でたくさん食べた気になる、気持ちだけでも豪華な料理を、という心遣いから生まれた料理である。
でもそうはいっても、今日ではレストランで出される名物料理でもある。バターや卵、それぞれ素晴らしい食材を使っているのであろう。うまいものはうまい。
いわばおかずのアイスクリームみたいな感じ。
用意に時間をかけず、クリーミーな泡ができない店もあるそうだから、食べに行く方は気を付けてください。
島の中は狭い路地が参道であり、その両側に軒を連ねる旧民家が今のレストランや土産物屋になっている。
古い建物の並ぶ通りには京都の清水のあたりと同じような空気が漂っていて、ひさしぶりの観光気分を高めてくれた。
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