ジプシージャズ(ジャズマヌ―シュ)の父であり、20世紀を代表するジャズギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトDjango Reinhardt (1910-1953)。
彼が演奏したカフェバー、ラ・ショプ・デ・ピュスLa chope des puces、行ってみました。どこへも行かなかったバカンスの最後に、韓国人の友人と二人で。
日本人にも人気の蚤の市、クリニャンクール。だがショープデピュスの近所にあるポール・ベールPaul Bertという市場に行ったという人は少ないかもしれない
ここは蚤の市というよりも店を構えた古物商が多い。日本であまり見かけない古い室内装飾品や、本当に使われていた骨董品に興味がある人は面白いだろう。
店の数も多いし、パサージュのようになっている場所もある。
レコード、蓄音機、ジュークボックス、楽器、文房具、アンティーク家具等々。
他の蚤の市にないような品揃えもあって面白かった。また、レコードを大音量で流している店もあり、なんとなくいい雰囲気。
隣のクリニャンクールの蚤の市の、やや粗野な雰囲気よりもこちらの方が大人っぽくておすすめ。
ただし値段は少し高い。
さて、例のカフェに入ってみる。
店内のいたるところにはジャンゴゆかりのギターや、写真、記事などが飾ってある。
お客さんがひっきりなしに出入りしているので、おかみさんのシルヴィさんは忙しそうに飛び回っていた。
エスプレッソが5€と値段はそこそこするが、それでも常に大入り満員。
奥の大部屋にはオーナーのマルセル・キャンピオンMarcel Campionさんに関する記事や写真も。
(少し見づらいが、写真向かって右側がキャンピオンさん)
彼はこの店で演奏もしているし、ジプシージャズ教室も開いているらしい。彼のスタイルはジャンゴのように早弾きというわけではないが、歌うようにロマンチックだった。
この間初めて行った、ピラミッド駅近くのメゾン・ワMaison Waをご紹介。
(店頭で手塚治虫のヤバいミステリーマンガ、MW(ムウ)を思い出したのは内緒)
この地区は以前も紹介したように日本人街といって、日本食レストランなどの多い地区で、こうした本格的な日本工芸店もあるのだった。昨日まで知らなかったけれど。
店内は広々としており、奥のガラス張りの事務室ではビジネスミーティング。
ディスプレイにも工夫があったし、置いてある商品も単に伝統工芸なのではなくて、モダンにアップデートされていて現代の生活にマッチしそうなものばかりだった。
じつにさまざまな緻密なマーケティングがあったのだろう。ひとつひとつの商品の背後に繊細なこだわりを感じた。
最初の一時間はセッションホストの演奏。スタンダードばかりでお客さんも盛り上がる。
この日のメンバーはテナーサックス2本にドラムとベースというやや変則的なものだったが、和音が聞こえるようなバップジャズのソロの応酬。パリの底力を見た気がする。
その後のセッションタイムでもミュージシャンの技量は軒並み高い。レパートリーも知らない曲が半分ほど。
一緒に行った友人によれば、音大ジャズ科の人たちがたくさん出演する箱だとか。
これで値段はなんと10€(2€プラスビール8€)。おそるべしである。
月曜日・木曜日の9時ごろからセッションらしい。ほかの曜日も有名ミュージシャンらが出演しているので、必見とのこと。
(ほんとにチャージが安いので、このあたりに飲みに行く人はぜひ)
モンパルナスMontparnasse駅近くのとんかつ屋、Tonkatsu Tomboに行ってまいりました。
とんかつ、自分で作って食べるのは手間だし、かといってフランスにそれらしき食べ物はない。
それどころか、とんかつソースだって日本食品店に行かなければ買えない。
ということで、友人たちと連れ立って「Tonkatsu Tombo」というお店でとんかつを食べてきた。
いかにも日本的な定食!
味もしっかり美味しい。僕が食べたのはロース定食15.5€だが、柔らかくてジューシーであった。
付け合わせの一品や、ご飯がお代わり自由なのもうれしい限り。(もちろんお代わりした)
そしてまさかのうどんも。久しぶりだったので懐かしい感じだった。
写真は早い時間なので空いているが、どんどんお客さんが入っていた。店内は明るくて清潔な印象で、一人客やフランス人もたくさん。
仕事帰りのサラリーマンたちは持ち帰りの定食を頼んでいた。
営業時間
日曜定休
12:00~14:30、19:00~22:30
Tonkatsu Tombo
14 Rue de l'Arrivée, 75015 Paris
友人たちと連れ立って、オペラの魔笛を見てきた。
魔笛といえばフランス革命真っ只中の1791年初演、モーツァルト作曲のオペラであり彼の遺作でもある。
曲の良さや演出の派手さ、そして脚本の難解さも手伝って未だに人気演目となっている。
新オペラ座こと、バスティーユのオペラ座に行って見てきた。
それも立ち見(5€)で!
この立ち見というやつは結構裏口入場みたいなところがあって、時間に余裕がある人しか使えない技かもしれない。
オペラ座地上階の入口付近で16時から16時半くらいに行けば、ダフ屋みたいなおじさんが整理券をくれるのだ。しかも手書きの番号だけ振った、「いかにも」なやつ。ほんとかよと半信半疑だったのだが、18時、開演1時間半前になるとこの整理券順に並び始めているではないか。たった32人しか入れてもらえない(整理券1枚で最大2人入れるので、整理券16枚以上は運次第である)のだが、5€はほとんどタダみたいなもの!
立ち見とはいえ2幕からは空席に座らせてもらったりしてくつろいで見ることができた。
ぜひ狙ってみてはいかがでしょう。
さて魔笛についてだが、あらすじはというと、
「光の国の王、ザラストロにさらわれた王女を助けに行く王子と狩人が、最終的に寝返ってザラストロの国でそれぞれの恋人と結ばれる」
という話だ。
なんのこっちゃという感じ。第一幕でザラストロは悪の大王みたいな言われ方をしているのだが、第二幕では知恵と力を統べる王として語られる。いわば善と悪が逆転するのだ。
もちろんこの脚本については賛否両論あって、めちゃくちゃやんけという人もいれば、あえてそうしているんやんけと整合的に解釈する人もいる。どちらにせよ見る人の関心を引いてやまないストーリーであることは間違いない。
見どころはというと、「王女のお母さん(夜の女王)が王女を取り戻しに来る場面」のアリアや、「狩人が恋人と愛を語り合う場面」のアリア、そして最後の大団円など。名曲ぞろいでキャラクターもはっきりしているので見ていて飽きるところがない。今回の演出は割と簡素で、舞台の真ん中を遮るスクリーンへの投影で時間の経過や場所移動を示していたほかは、派手さはない印象。ユーチューブなどではもっと派手な演出のものが見られるのだが、今回は渋好みといったところか。もっとも、こうした有名なオペラに関しては、演出は簡素なほうが象徴性が浮き上がって見えて良いのかもしれない。
(なお、写真はカーテンコールのとき。上演中はもちろん撮影禁止)
まだ公演は残っているので、興味がある方はぜひ。
昨日、友人が変わったワインを持って来た。
ル・ピマンソン「Le Pimençon」という名前なのだけれど、そのラベルの通り中にパプリカ(というか辛くない唐辛子)が入っているのだ。
ビジュアルもわりと衝撃的なのだが、味も面白い。
甘めの白ワインがベースで、パプリカとかピーマンの味が加わっている。そのために口当たりが柔らかく、ジュースのような飲みやすさとなっている。
ただし、青臭さもあるために好みは分かれるようで、持ってきた当の本人は「おいしくない」と言っていた。
横から見るとこんな感じ。
ワインと思って手に取るとぎょっとするビジュアルではある。
13.5€くらいなので、話題づくりにちょうどいいかもしれない。
食前酒にぜひどうぞ。
http://www.arosteguy.com/vins/210-aperitif-pimencon.html
昨日大学に行くと、中庭で羊が放牧されていた。
なにやら正面から見ると外国人っぽい顔をしている。
むしゃむしゃとのんびり草を食べる羊たちの周りに、小柄な牧羊犬が走り回っていてとてもかわいい。
どうやら「幸福の牧場la Ferme du Bonheur」というところからやってきているらしい。
農場にはクジャクや七面鳥などもいて、郊外の動物園みたいになっているとのこと。
市の補助金や寄付で成り立っているということなのですが、なんとか続くといいなぁ。
https://ipressdestress.wordpress.com/2012/10/17/la-vie-a-la-ferme-au-milieu-des-hlm/